URADOCPDS>講習会プログラム>

 CPDS講習プレゼン
 ウェアラブルカメラが変える現場~土木技術者の働き方改革を考える。~
「ウェアラブルカメラによる移動拘束時間ゼロの実現」

 講師:株式会社砂子組 企画営業部 ICT施工推進室  奥村 亜美(おくむら あみ)

 以下の資料は、技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意によりご提供いただいたものです。

20190705公開


▼PowerPoint PAGE-01

凡例 
★:クリックしてアニメーションを進める。 
◆:クリックして頁を進める。
「ウェアラブルカメラによる移動拘束時間ゼロの実現」と題して
株式会社砂子組ICT施工推進室の奥村が説明を担当させていただきます。
本日は弊社で活用を進めているスマートグラスの活用事例を 表紙にある改革の柱3本を軸に説明して参ります。
よろしくお願いいたします。
なお、こちらの講習会資料はURADO(HP)にてご確認いただけます。

▼PowerPoint PAGE-02

本日お話させていただく内容はこのようになっています。
※「ウェアラブルカメラ概要」に関する説明は割愛◆

▼PowerPoint PAGE-03

※割愛


▼PowerPoint PAGE-04

※割愛
当現場では、働き方改革の一環として、
段階確認・立会・社内検査にてスマートグラスの活用を実施し 、 移動拘束時間の短縮効果を検証しました。

▼PowerPoint PAGE-05

~割愛~
こちらはスマートグラスを使用する際の通信接続のイメージです。
現場と事務所などの遠隔地間を、双方向で映像・音声通信を行うことによって、遠く離れた工事現場の様子を検査員に伝えたり、指示を出すことができます。
PCを使ってリアルタイムで現場を確認することができますので、移動時間を取ることなく、事務所にいながら段階確認や社内検査を実施できるようになりました。
弊社が使用したアプリケーションや詳しい機能等については別途ご紹介いたします。 通信イメージと活用項目説明?
活用項目
①社内検査
②段階確認及び立会い確認
③中間及び竣工検査(現場検査)
④打合せ(不即時に於ける現地確認)
⑤安全パトロール(会社のバックアップ体制含む)
⑥緊急対応(自然災害等)
5月23日、24日の実際の状況写真 アプリの使用方法は、あとで ◆

▼PowerPoint PAGE-06

ではここから、スライドの中身に入って行きます。

スマートグラスの活用背景として、 段階確認・社内検査にかかる所要時間から現場臨場の 検査における現状の課題を確認して行きたいと思います。 ◆

▼PowerPoint PAGE-07

初めにスマートグラスを活用した 本工事現場の簡単な概要をご紹介いたします。
本現場は国道453号の支笏湖畔に面した場所にあり、 3/18~11/7までを工期としております。
土砂防護柵の設置を5月中旬~9月中旬に行う工事です。
工事現場から千歳道路事務所までの距離は32kmとなっております。
スライド下部の段階確認に要する各所要時間を示したバーをご覧ください。
★ このうちの赤字で示した移動時間に注目してみると、 片道45分、往復で1時間30分の時間を要しており、
移動時間が段階確認検査の所要時間を上回っている状況です。 ◆

▼PowerPoint PAGE-08

こまた、社内検査の場合にも、
★奈井江にある弊社の砂子組本社から現場事務所まで 往復5時間以上かけて移動する必要があり、
段階確認、社内検査ともに移動による拘束時間が大半を占めています。 ◆

▼PowerPoint PAGE-09

★こちらは実施した立会いの様子とスケジュールですが、立会い確認は、
場合によって現場での待機時間が発生してしまうことがあります。
移動時間に加えて、待機時間までできてしまうと、日中の業務が外勤だけで終わる… ということもあるのではないでしょうか。 ◆

▼PowerPoint PAGE-10

現場臨場のメリットとデメリットを整理してみました。
★メリットは
・写真による机上確認と違い、現場全体を確認できます。
また、
・検査内容以外に、施工状況や安全確認が出来ます。
これら2点は実際に現場に行く現場臨場ならではのメリットであると考えます。
★一方、デメリットはどのようなことが挙げられるかというと、 先ほど現場臨場における移動所要時間をご確認いただきましたが、
・現場までの往復に要する移動拘束時間があることや
・検査間の現場での待機時間の発生、
・移動中の交通災害の発生リスクのほか、
・高所や狭小施工箇所での災害の発生リスク
などが考えられます。
スマートグラスを用いたライブ映像での移動いらずの 確認方法は、
これらデメリットであげているような、
検査員にかかる移動負担の解消や安全性の向上を 実現するために非常に有効なツールであると考えています。◆

▼PowerPoint PAGE-11

では、そのスマートグラスを活用することで 検査にどのような変化が起こるのか、順を追って説明いたします。 ◆


▼PowerPoint PAGE-12

映像によるライブ検査を行うことで 検査員・立会い者サイドは移動時間を短縮することができます。
改革の柱その1、その2を赤字で強調しておりますが、
★スマートグラスはPCを使ってライブ動画で現場を確認することができますので、 移動時間を取ることなく、事務所にいながら段階確認や社内検査を実施できるようになりました。
そのため、通常かかる移動時間分を通常業務に充てられることや、 移動に伴う事故のリスクの軽減など時短検査を実現できます。
★また、ライブによる映像確認はスマートグラスに高解像度のカメラが搭載されておりますので 事務所内であっても、臨場しているのと大差無い状態で現場確認ができます。
録画もできますので後から見直すことも可能ですし、移動にともなう事故リスクが削減されるほか 車両不使用による環境負荷の低減にも効果があります。 ◆

▼PowerPoint PAGE-13

現場サイドでの検査はスマートグラスの起動と接続の準備がある以外は 臨場検査と変わりありません。
★ライブ動画による現場確認は、待ち時間が削減でき、 効率的な現場管理ができるほか、高所や狭小箇所などの危険箇所へも 最少人数で行くことができます。
つまり現場臨場でのデメリットを解消することができます。
スマートグラスが接続されたことを確認できましたら、その後は図面を見ながら説明をしたり、 音声通話でやり取りをし、指示を貰いながら検査を進めていくような格好です。 ◆

▼PowerPoint PAGE-14

続きまして、現場で使用しているアプリケーションとスマートグラス製品についてご紹介します。
使用アプリはGeneration-Eye(ジェネレーション-アイ)というアプリを採用しています。
PCとスマートグラス間で双方向の音声通信と、映像通信を可能にしている遠隔作業支援アプリケーションです。
弊社では元々人材育成を目的に導入を決めた経緯があり、その際双方向映像共有が欠かせない条件と 考えておりましたので、そのような理由から、こちらのアプリケーションを採用した経緯があります。
スマートグラスはエプソンのムービープロ BT2200を使用しております。
このほか、スライドの写真にはありませんが、このほかに片目タイプのスマートグラスも現場で使用しています。 ◆

▼PowerPoint PAGE-15

使用方法はいたって簡単です。
アプリケーションに備わっている機能をいくつかご紹介します。
こちらの画像は検査員側がPCでアプリを立ち上げた際に見ることが出来る画面です。
スマートグラスが接続されると、画面の中央にライブの映像が映し出されます。
静止画撮影ボタンというのは映像から静止画の撮影をしたい際に使用するキャプチャ機能です。
ライブで送られてくる映像の中から写真として残しておきたい任意の場面で 静止画撮影ボタンをクリックすると、その場面を高解像度の静止画としてパソコンに転送、 保存できる機能が付いています。
(スマートグラス自体コンパクトなのでカメラが小さいと画像が荒くなるんじゃないか、と いう心配などもあるかもしれませんが、高解像度のカメラを搭載しているので 高画質の画像を取得可能です。
細かな文字やスケールのミリ単位のメモリの確認も問題なく確認することができます。)
左右のパネルからは、周囲の騒音等で聞き取りづらい時に、カメラや撮影位置の指示を 出すことも可能です。 ◆

▼PowerPoint PAGE-16

こちらは指示機能でPC側から赤ペンや指差しで指示を出している様子です。
PC側でマウスなど使って直接書き込んだり、指のアイコンを添えると、 スマートグラスのディスプレイにも映し出されてどこを見たり、どこに注目すればいいのか が分かります。 ◆

▼PowerPoint PAGE-17

資料の共有機能についてご説明します。 共有できるファイルはPDFやJPGファイルに対応しており、 …(例えば図面)をPC側からスマートグラス側へと送信すると、 スマートグラスのディスプレイにも同様の図面が映し出されて、共有できるといった機能です。
アップロードした資料に、画像のように、赤ペン機能で書きこんだり、 他の指示機能を組み合わせて使うこともできます。
通話のみだと勘違いが生まれたり説明が難しい部分も、 このように視覚情報と音声で指示を出すことで、情報を間違いなく・確実に伝えたい際に役立ちます。

▼PowerPoint PAGE-18

スマートグラスを使用した検査の様子をダイジェストで 動画にまとめましたので、ご覧ください。
【動画(約5分)】

〇静止画撮影ボタンが青く光りました。
PC側の操作で任意の場面をキャプチャしています。

〇ところどころ映像が止まる場面がありますが、
これは静止画を撮影して撮影データを処理をしているため、
一時的に画面が止まっている箇所があるような状態です。

〇写真はが先ほど動画の中で撮影していた静止画画像です。
高画質の画像を取得できるため、細かなゲージ類や目盛、
手書きの文字などもしっかり確認することができています。

〇映像がところどころカクカクしていて気になった箇所があったかもしれませんが、
これは滑らかな映像にするとその分通信料が増えてしまって
それに合わせた設備や通信料の制限を考慮しなければならないため、
わざと通信料を落とすような仕様にして、映像通信を行っています。
これは今後5G通信(第5世代移動通信システム)になれば改善されることが期待できます。

〇音声のやり取りもクリアな音質で問題なく聞き取ることができ、
ほぼ遅延なく音声でのやり取りが可能です。◆

▼PowerPoint PAGE-19

活用効果の検証結果です。
拘束時間の削減効果と費用についてまとめました。 ◆

▼PowerPoint PAGE-20

拘束時間の削減にどれほどの効果を発揮するかを検証した結果です。
過去の実例をもとに1回あたりにかかる検査時間と予定回数をかけて 削減時間の合計を算出しました。
段階検査では1回あたりの削減時間が1時間30分、 予定回数が13回で削減時間の合計が19時間30分と、
★約3人日分の削減効果が得られることが分かりました。
社内検査では1回あたりの削減時間が5時間20分、 予定回数が13回で削減時間の合計が69時間20分となり
★こちらは約10人日分の削減効果が移動時間を短縮することで得られることが分かりました。 ◆

▼PowerPoint PAGE-21

さらに、環境負荷の低減にも高い効果を秘めています。
ライブ動画による検査・確認方法を採用することで、 単に移動時間を短縮させるだけではなく、 その付加効果としてCO2削減の効果も得ることができます。
段階確認・社内検査のCO2削減量を杉の木に換算すると、 それぞれ10.5本と35本分の植樹相当になることがわかりました。 ◆

▼PowerPoint PAGE-22

導入にかかる初期費用と月額の必要費用についてまとめましたのご確認ください。
竣工検査を9月上旬とした際の予測となりますが、 活用期間を5月16日~竣工検査までの4か月間として、 スマートグラスにかかる管理料やアカウント費、セットアップ費など 諸々の初期費用が約15万円かかっています。
これに加えて、月々のサポート費や通信料等、 毎月かかる月額費用が8万×4か月の使用で32万ですので
★総費用合計、約47万円程がスマートグラスを活用するためにかかる見込みです。 ◆

▼PowerPoint PAGE-23

それぞれの検査にかかるコストの削減効果の検証結果です。
★ 段階確認は、 スマートグラスを使うことでコストの縮減額が約16万円となることが分かりました。
社内検査の場合には 検査員の労務費や燃料費等の削減コストが約46万円となり、 検査員にかかる時間については約69時間の短縮ができることから、 価格だけではない時間短縮の効果が出ていることが分かりました。
また、導入にかかる費用は47万円ほどでしたので、 これを大きく上回るコスト削減効果が発揮されています。
従来かかっていた労務費や燃料費のコスト縮減額を考えると 導入費用の47万円は決して高いものではないと考えられます。 ◆

▼PowerPoint PAGE-24

各種効果のまとめです。
★(1)のコストの縮減額の箇所にご注目ください。 トータルの導入費用が47万円かかってはおりますが、 各種検査にかかっていた交通費、燃料等の費用を合計しますと、 削減できた費用が108万2,400円、 差額分の利益が約60万円と、導入費用を大きく上回る結果となりました。
★また、(2)の短縮時間の欄をみていただきますと、従来、各種検査や 打ち合わせ等にかけていた約180時間を削減できる結果となり、 この時間を他の通常業務に充てられるようになります。
スマートグラスの活用で残業時間の軽減や検査の効率化等が期待できます。◆

▼PowerPoint PAGE-25

最後に、「改革の柱その3」として、 若手技術者の育成にも活用しています。
具体的にはスマートグラスを使用して、現場の施工状況を確認し、 遠隔地からの若手技術者のサポートや指示出しを行います。
★ 上司が直接現地を確認しに行けない状態であっても遠隔地から通信が可能ですので PDF図面をスマートグラスに投影して、
赤ペン機能を使って指示を出したりと 映像を元にした指導によって的確な内容をしっかりと伝えることができます。 ◆

▼PowerPoint PAGE-26

★ 若手技術者の場合、 経験がないうちは専門用語を使いこなすのが難しかったり、質問を受けた際などに スムーズに受け答えすることが出来ない・上手く言葉が出ない、という状況が考えられます。 そのような場合に上司が近くに居ない状況でも、 スマートグラスを介し遠隔地からサポートすることで 若手の意思決定や技術習得をフォローし、学びの機会も同時に作ることで、 若手技術者の育成に役立てていくという狙いで今後も活用を進めて参ります。
◆ 入社1年の社員の感想 ☆上司が現場に居なくても、指示を貰うことができるので、何をやれば良いのか直ぐに行動できる ☆作業員さんに質問されたことに、スマートグラスを通して受け答えできた ☆事務所と離れた場所だったので、天候の違いが伝わって現場の作業中止判断をしてもらえる
▲小さい割りに重かった EPSON
▲メガネをかけているので、ピントが合いにくいEPSON
▲メガネの上からかけているので、スマートグラスがずれて、手で押さえながら移動していたので不便 メガネタイプ
▲出来形等を見るのに、アップを見せるのに近づくように言われたが、よつんばいに近い格好までした ※フルサイズにすれば、そこまで寄らなくても確認できたはず。OP側の問題
▲線が邪魔※装着の仕方によって邪魔にならないようにすればいいだけ
ベテラン社員の感想(40代)
☆内勤作業中に現場に直接行く必要が減ったので、書類作成にあてる時間が増え、残業が減った
☆職長等への指示等をスマートグラスを使用して伝えることができ、間違えた指示が無くなった(伝言によるミスが無くなる)
☆若手社員かへの指示が、現場の状況を把握しながら出来るので、正確に指示教育ができるようになった
☆指示伝達のミスが減り、現場で手戻り作業をすることが無かった。
☆足場の上に何人も上がっていく必要が減ったので、安全面でもリスク削減になった ◆

▼PowerPoint PAGE-27

砂子組ホームページ
(http://www.sunagonet.co.jp/)


▼PowerPoint PAGE-28

《以降プレゼン外の参考資料》

「9.11支笏豪雨災害」〜支笏湖周辺の国道の被災・復旧の記録〜

▼PowerPoint PAGE-29

災害発生時の初期対応への活用 昔の話のように感じてしまうが、まだ5年しか経っていない、支笏豪雨災害。 あの時、スマートグラスがあれば、何が出来ていたのか、道路の初期復旧に多少なりとも尽力した身で考てみた。
災害発生当日 道央圏連絡道路の工事に携わっていた。 監督員から電話があり、今すぐに現場で用意できる重機や、大型土のうの数を聞かれた。 大雨で土砂災害が発生したと聞いたが、自分の居た現場はそれほど雨が降っていなかったので、大した事は無いのではと思ったのが正直な感想。 それから数時間の内に、全現場の作業を中止して、災害復旧対応を行うと連絡がきて初めて、寛大な被害があったのだと感じた。
9月12日18時に支笏湖温泉に集結し、各社持ち場を決めて作業を開始した。 翌13日の早朝まで、土砂の除去と大型土のうの運搬を行った。
この時、現場の様子をスマートグラス等を使って巡回しながら災害復旧本部で映像を確認することが出来ていれば、復旧が遅れている箇所への増員や、大型土のうの運搬支持を的確に行うことができただろうと思う。 現場に的確な指示が伝わることで、現場の指揮は上がる。 誰の指示が正しいのか、似たような指示が行き交い、結局言われた場所に行っても作業が終了していたりと、少なからず困惑もあった。
通常業務以外でも、このような災害の際の初動には現地の確認を大勢で行うことも出来、有効なツールだと考える。 ◆

▼PowerPoint PAGE-30

災害発生時の初期対応への活用 ◆


▼PowerPoint PAGE-31




▼PowerPoint PAGE-32

実際の段階確認の様子(写真) やってることは、臨場と殆ど変わらない(1と2だけ増えてるけど、検査員を待っている時間より短い)


▼PowerPoint PAGE-33

実際の段階確認の様子(写真) リアルタイムで画像を見ながら、検査箇所の静止画も撮影可能 事務所内で、臨場しているのと、大差の無い状態 モニターを使って、複数人で確認できる スケジュール調整がしやすい (社内検査も同様) ◆

▼PowerPoint PAGE-34

機能説明 ◆


▼PowerPoint PAGE-35




▼PowerPoint PAGE-36

機能説明 ◆


▼PowerPoint PAGE-37

とりあえず、一覧 ◆


▼PowerPoint PAGE-38




▼PowerPoint PAGE-39




▼PowerPoint PAGE-40




▼PowerPoint PAGE-41






▼講習状況

《関連情報》