URADOCPDS>講習会プログラム>

 CPDS講習プレゼン
 「現状の定期巡回にやりがいがあるのか?」

 講師::株式会社玉川組 舟見 群章 (ふなみ ともあき)

 以下の資料は、技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意によりご提供いただいたものです。

20191127公開


▼PowerPoint PAGE-01

凡例 
★:クリックしてアニメーションを進める。 
◆:クリックして頁を進める。
「ウェアラブルカメラによる移動拘束時間ゼロの実現」と題して
定期巡回の現状ということで、今現在での、定期巡回の状況をお伝えしたいと思います。 皆様が担当しておられます路線によって状況は異なります。 路線特性によって、点検する構造物や点検個所、点検に要する時間や書類作成時間など、それぞれの特色があると思います。 様々な特色がある定期巡回の中で、今回は玉川組が担当させて頂いております路線での、定期巡回業務の現状を元に、資料を作成させて頂きました。 皆様の担当しておられます路線と相違点も多々あるとはございますが、定期巡回の1例としてお聞きください。

▼PowerPoint PAGE-02


セクション1 足場の悪い中での点検◆

▼PowerPoint PAGE-03

※割愛


▼PowerPoint PAGE-04


定期巡回での点検作業の際は、点検対象物にもよりますが、書類、カメラ、黒板、チョーク、マーカー、筆記用具、スプレー、スラント、スコップ、草刈鎌、他にも多くの持ち物が必要となります。 点検作業では、これらの物を持参しながら、様々な危険が潜んでいる場所で、点検作業を行わなければなりません。 車の往来の激しい、街中での作業。 車の速度が出やすく、大型車両の風圧の影響を受けやすい、高規格道路。 幅員が狭く一般車との間隔が近い場所。 足場の悪い高所、川の中、法面等の傾斜地、雑草が繁茂した足場の確認が困難な場所。 この様な、足場の状況が不安定な場所での点検で手がふさがっている状況であれば、転倒災害の危険性が高まります。 書類を電子化することにより紙を無くし、手のふさがりを防止することによって、転倒災害の防止につながると思われます。

▼PowerPoint PAGE-05


ペーパーによる維持管理データの作成状況◆

▼PowerPoint PAGE-06

現在、定期巡回の維持管理データは書類による提出となっております。 玉川組で作成しました書類の現状をご紹介させて頂きます。 当社の施工延長はインターチェンジを含めまして約68.5㎞、往復で約137kmになります。 上り車線と下り車線で約137km分の構造物の点検で、書類の総重量は33.5kg、5年間の保存ですと合計167.5kgにもなります。 書類の幅は1.31m、5年間の保存で合計6.55m、用紙の枚数は提出分と現場調査に持参する分を合わせまして、1年で約10,000枚、5年間で50,000枚にもなり、一般的な3段カラーボックスで例えますと、約7個半分にもなります。 これだけのスペースが電子化になりますと必要がなくなります。◆

▼PowerPoint PAGE-07


維持管理データはどう活かされているのか?◆

▼PowerPoint PAGE-08

正直、現段階での維持管理データは、なかなか活用されづらく、応用力の低いものとなっているのが、現状だと思います。 皆様もご存じの通り、定期巡回の書類は膨大な量になります。 その書類全てに目を通そうとすると、かなりの時間を要します。 点検した当事者たちでも、書類全てに目を通そうとすると・・・ツラいです・・・ そして見づらい・・・ 大まかな、項目では分けられてはおりますが、細分化はされておりません。 例えば道路標識のどこどこのF型標識の点検結果が見たい!となるとします。 すると道路標識の書類ファイルを引っ張り出してきてキロポストにより大まかなファイリング場所を探し、1​ページずつ探していきます。 実際におこなってみました。 慣れている定期巡回員で1分30秒かかりました。 書類の保管場所、ファイリング構成を熟知している定期巡回員が調べて1分30秒です。 また、橋梁や横断排水など、キロポスト表示のない点検結果の検索では3分かかりました。 慣れていない方が調べようとすると、2倍以上の時間がかかると思います。 正直、今の時代ではナンセンスだと思います。 ◆

▼PowerPoint PAGE-09

次に、コストや労働時間からみた定期巡回はどうなのか?ということで調査してみました ◆

▼PowerPoint PAGE-10

こちらはコストの現状です。 定期巡回のコストとしまして、まず初めに、何といっても人件費です。 人件費には2通りの分類があります。点検作業に費やす外業の人件費。書類作成に費やす内業の人件費。ここでは2種類の人件費の合計を定期巡回全体の人件費として、称しております。 次に書類作成費、書類作成におけるコピー機代、用紙代、インク代になります。 移動費は車両代や燃料費、 諸経費は書類作成における、電気代や暖房費などで、調査道具代は文字時通りの費用となっております。 右の円グラフをご覧ください。 こちらは、定期巡回においての、費用グラフになります。 調査道具において、消耗品は、主に、スプレーやマジック、チョークなどの筆記用具で、他の調査道具においては、1度買いそろえると、消耗が少なく、道具代としましては、定期巡回全体の費用との割合が限りなく少ないため、今回の調査に限り0%とさせていただいております。 移動費は6%、金額にしますと50万円、書類作成費は5%で40万円、諸経費1%の10万円となっております。 そして残りの88%の700万円が人件費になっております。 このグラフからわかるように、定期巡回のコストはほぼ人件費になります。 ◆

▼PowerPoint PAGE-11

定期巡回のコストがほぼ人件費だということが分かったところで、定期巡回における労働時間を見ていきましょう。 点検作業時間や書類作成時間は業者間においても様々です。 管理路線の構造物の数や種類によって大きく増減します。 ここでは玉川組における作業時間としてご覧ください。 まずは点検作業の特性です、これは点検する方によって大きく時間の差が出ます。例えば、僕の相方の様にものすごく丁寧に調べてくれる方もいらっしゃいますし、要領よく点検されてる方など様々だと思います。 そして天候にも左右されますし、雑草が伸びることによって非常に点検の効率が悪くなったりもします。 そして先ほども言いましたように、構造物によって点検時間は一様ではありません。 続いて、書類作詞時間です。 書類作成時間はパソコンの熟練度によって大きく差が出ますし、構造物によっても時間は異なります。 そしてなによりですね、これは直接書類作成に関わった方しかわかりずらいと思うのですが、書類のレイアウトが崩れると極端に作成時間が伸びるんです。 例えば、一つの構造物の調査データにですね1から100までの写真君たちがが貼ってあったとします。 この100枚の写真たちは名前と続き番号のバッチを付けて順番に並んでおります。 そこに新しい異常個所の写真君がですね、10番目の仲間に入りたいとやってきます。 そしたらですね、残りの91人の写真のお友達が横入りされてしまったのでしかたなく後ろにずれてしまうのです。 すると後ろにずれたお友達のバッチの名前と続き番号を書き直してあげないといけなくなるんです。 こんな感じでですね、ページのレイアウトが変わると作成時間が伸びてしまうという特性を持っております。 右の棒グラフは大まかな時間の換算イメージになります。 ◆


▼PowerPoint PAGE-12


▼PowerPoint PAGE-13

改革による効果予測、ということで現状の定期巡回の手法をこれから紹介があります、川田テクノ様のシステムで電子化の定期巡回に改革した場合にペーパーレス化、情報の共有化が、実施できたとしての効果予測を検討してみました。 ◆

▼PowerPoint PAGE-14

こちらは効果予測になります。 必要のない点検の排除。 緊急点検など、調査データが共有できていたら発注しなくて済む調査があるかもしれません。 コンサルタント業者との2重点検の防止。こちらも情報共有によって無駄がなくせると思います。 書類作成が大幅に削減。これが改革の目玉になります。 持ち物削減による点検作業の効率化と災害発生による偶発的な時間ロスの減少。では、書類を持ち歩かなくなりますので書類の準備がなくなり、書類を持つ手が空くことになりますので、点検の効率化、転倒事故の防止につながると思われます。 維持管理データの共有。データ共有することにより構造物の異常個所が全社的に把握できますので、未然に構造物による事故も防げると思います。 他の業務での維持管理データの活用。 これは修繕工事や保全工事、新設工事、などで維持管理データが活用されると思われます。 ◆

▼PowerPoint PAGE-15


改革による労働時間の増減予測です。。 右のグラフをご覧ください。先ほどの労働時間のイメージを元にしまして、現在の定期巡回での労働時間は外業1200時間プラス内業1800時間で合計3000時間になります。 これが改革による定期巡回になりますと外業時間は端末操作のため、2割ほど増加しまして、1440時間、内業時間は現場でできなかった事務所への持ち込み書類や雑務などは残りますが8割減の360時間。 合計で1800時間。現在の定期巡回の3000時間と差し引きしますと、1200時間の減少になります。 ◆

▼PowerPoint PAGE-16

先ほど申しましたように、定期巡回のコストの約9割が人件費です。 労働時間が1200時間減るということですのでコスト面でも見てみます。 労働時間の増減を割合に換算しました。 まだまだ未知数ではございますが改革により労働時間の短縮、ペーパーレス化が進むことは間違いありません。◆

▼PowerPoint PAGE-17

おわりに 私たち、定期巡回の業務をこなす者にとって各々、定期巡回の定義は異なると思いますが、最終的には「安全、安心な道づくり」に尽きると私は思っています。 安全な道づくりのため、構造物一つ一つにかける点検の時間を削ることは考えにくいです。無駄をなくして効率化をし、ペーパーレス化によって、労働時間と経費の削減を目指し、維持管理データを共有して「危険の芽」をつぶし、安心できる道づくりのために努力していきたいと思います。 その第一歩が次の講義での川田テクノさんのシステムだと思います。 ありがとうございました。



▼講習状況

《関連情報》