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北海道におけるモービルマッピングシステムの変遷及び市場動向概略

ID:20220609-726096-05

講習会プログラム

目次

北海道におけるモービルマッピングシステムの変遷及び市場動向概略

講師:大陸建設株式会社 常務取締役 櫻庭 晃(さくらば あきら)

 以下の資料は、技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意によりご提供いただいたものです。

20220609公開


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凡例 ★:クリックしてアニメーションを進める。◆:クリックして頁を進める。

釧路市の大陸建設(株)櫻庭でございます。
本日は北海道におけるモービルマッピングシステムの変遷、市場動向概略と題してプレゼンさせていただきます。宜しくお願いいたします。 ◆

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こちらは会社概要です。
地元北海道釧路市に根付いております会社で、土木工事業をメインに、
青文字で書いてあるものが今回の発表に関係のある、
舗装業者様向けの工事測量や舗装路面の計測などを行っている業務内容です。 ◆

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こちらは主要取引先です。
同じく青文字で書いてある業者様がMMSなどでお付き合いのある業者様となっております。
舗装業者様は全国区の大手の業者様から、道内各地に本拠を構える業者様多くのお客様とお付き合いがあります。
大手航測業者様やコンサルタント業者様ともお付き合いさせていただいております。 ◆

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ここからはMMS導入の経緯となります。 MMS導入以前はこのような機器でわだち掘れの計測をしておりました。
左側は片側交互通行の規制を掛けて計測するシステムで、左上からLP200と言う車両で牽引するタイプ。
下に行きまして道路を横断上になぞって計測するMRP。
右に行きまして、路肩にトータルステーションを据え付けてノンプリズムで計測するROPO。
同じく路肩に機械を設置してレーザーを飛ばして計測するLP2000。
このような機器を使用して、路面にマーキングしている測点のわだち掘れを計測しておりました。◆

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ひび割れ調査は規制を掛けて車道にこのように路面にマーキングなどを施したり、
ウオーキングメジャーなどを利用して、 測点からの離れやセンターからの離れを取得してから、
ひび割れの状態を方眼紙などに書き込むスケッチ法で取得しておりました。 ◆

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こちらは舗装路面の平たん性試験となります。
舗装完了後の出来形測定として計測したり、路面性状調査でMCI(舗装の維持管理指数)を算出するときなどに用いられます。
こちらも規制が必要となります。
やはり車道に出て計測するには危険が伴います。 ◆

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そんなときに以前よりお付き合いがありました、弊社の協力業者さんがこのような路面性状調査業務を受注されて相談を受けました。 地元釧路市から発注されました、「臨港道路路面性状調査業務委託」です。
ご覧の通り約26kmの延長をひび割れ、わだち掘れ、平たん性を計測しなくてはなりません。
今までですと、この業務内容を進めるには当然先ほどの規制が必要となる調査方法で行わなくてはなりませんし。
今回の業務の延長が延長ですので、今までの測定方法では工期内に終えることはかなり厳しいのがすぐに分かりました。 ◆

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このときの業務の計測路線図はこちらのようになっております。
路線は釧路市の港湾道路全体に分布しております。 ◆

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路線は長い延長から短い延長までピンキリで、路線数は60路線くらい有りました。
いかに安全にスピーディーに計測出来るかを必死で考えて色々探した結果、 ◆

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こちらのMMSにたどり着きました。 ひび割れはMMSのカメラ画像から1ミリ以上のひび割れを取得できます。
わだち掘れはMMSのスキャナの点群から取得できます。
平たん性はMMSの車両下部に装着されている3点変位計により、平たん性σとIRI算出するための縦断プロファイルを取得することが出来ます。
各項目は土木研究センターの性能確認試験に合格しており、特にわだち掘れの精度は横断プロフィールメータと比較して3mm以内の精度が出ております。
また今までのわだち掘れ測定はマーキングをしたところを計測しておりましたが、
一度点群を取得してしまえば、任意の場所で追加横断を切り出すと言ったことも机上で対応出来ます。 ◆

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導入することに決めましたが、実際は導入予定のMMS車両の納車までは6ヶ月掛かってしまうので、
アイサンテクノロジー様のご協力のもと、導入講習も兼ねまして車両を貸していただき計測することが出来ました。
測定は26kmの区間を往復計測し、3日間で完了することが出来ました。 ◆

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MMSで所得したデータを利用してひび割れ、わだち掘れ、平たん性3要素について、
解析処理を進めこのような資料を納品することが出来ました。 ◆

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また同時に道路台帳の作成もありましたが、
右上のMMSのカメラ画像からのオルソ平面図で歩道や区画線をなぞって、
ごらんのような道路台帳図を作成することが出来ました。
この辺はモービルマッピングシステムの実力が垣間見えました。 ◆

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舗装関連では2015年の弊社車両導入後から北海道で舗装工事でのMMS活用も広がって参りました。
苫小牧道路事務所の管轄では、こちらの日高自動車道で地崎道路様が受注された2016年の工事など、
他多数計測しております。 こちらは供用中の自動車専用道路での作業となりますので、
規制の申請が不要や一般車両の流れに沿っての計測が出来るなど、MMSのメリットが最大限生かされた現場となりました。 ◆

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舗装工事以外の活用事例といたしまして、2015年の導入年秋に全国の高速道路の高精度地図化が始まりました。
今までは航空測量を活用していたとのことですが、
インターチェンジ等の高架橋やトンネルでのデータ取得が困難などの理由で、MMSの活用が始まりました。
北海道ではこちらの当時供用中の高速道路全て(当時の延長で約1000km)を弊社MMSで計測いたしました。 ◆

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また当時はMMSの車両も少なく納期の問題などで、弊社車両は東北6県、及び九州北部の高速道路、
合計約1800kmも計測いたしました。
このほかにもいろいろな地図業者さんから業務が発注しており、その道路が延伸したり、2車線から4車線へ拡幅になるなどの構造が変わったりすると、
更新業務も同じくMMSで計測しております。
今までの大量の計測データについては全てストックされております。 ◆

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その後昨今の生産性向上の動きもありまして、MMSや点群の利活用は進んでおります。
こちらの帯広広尾自動車道の舗装工事の例では事前の計画データ作成の計測、
施工区間決定、施工方法決定の為の路面性状調査のデータ取得はMMSの車両を利用しました。 ◆

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施工中の各層の出来形管理はこのような台車型のMMSを活用し、
アスファルトフィニッシャーや合材運搬のダンプが混在している中でも計測が可能になりました。
台車での計測は、車両で入れない狭い道路の計測にも応用されたり、
最近では橋の工事での床版計測にも用いられたりしております。 ◆

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最近ではICT舗装でのMMS活用も広がってきております。
ICT舗装工では高さ方向の精度が実測に対して±4mm以内となっております。
このような精度検証の報告書を作成して、舗装工への適用が出てきております。 ◆

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正直言いますと、MMSのICT舗装の活用は精度面などでハードルはなかなか高いです。
その中でも調整点を利用した点群データの補正など、使用するソフトも良くなってきております。
また車両の動きを制御するIMUの性能が上がってきていたり、MMS本体の性能も向上しております。
ハードとソフトで機能が良くなった結果、要求精度に入って来やすくなり、利用頻度が多くなってきております。 ◆

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このMMSを使用した計測事例については、
スウェーデン運輸道路研究所(VTI)とのワークショップでメーカーの三菱電機(株)様と弊社大陸建設が共同で事例発表いたしました。
更にMMS点群の利活用については大学の先生とも共同研究しており、北海道開発局様や関東地方整備局様に現場フィールドを提供していただき、研究を進めております。
最近では、NPO法人舗装診断研究会の路面性状評価委員会に「三次元点群利活用WG」が立ち上がりまして、わたしがWG長をさせて頂いております。
三次元点群を使用した路面診断など出来ないか?をこれからWGの皆さんと色々協議していくところです。
MMSや三次元点群を活用した事例も北海道や日本の枠を超えて世界へと広がって行くことが出来れば良いな、こう思っております。 ◆

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以上発表を終わらせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。 ◆END

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