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新得町を舞台にGISを日常ツール化~台帳が無いなら山岳登山用ガーミンで作ってしまえ!~(改Ⅱ)

ID : 20260424-1070052-02

目次

新得町を舞台にGISを日常ツール化~台帳が無いなら山岳登山用ガーミンで作ってしまえ!~(改Ⅱ)

北栄道路株式会社 専務取締役 今村 義輝(いまむら よしてる)

以下の資料は、受講者の技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意により提供いただいたものです。

20260423公開


▼PowerPoint PAGE-01

凡例 ★:クリックしてアニメーションを進める。 ◆:クリックして頁を進める。

(自己紹介)
本日、1講目を担当する。
北栄道路株式会社の 今村と申します。
趣味はバックカントリー スノーボード・釣り・キャンプ・登山・アウトドア全般と音楽です。
今回の話は、趣味が高じて、業務に転用・・・・て感じです。
弊社は、新得町で舗装と土木工事をメインとした建設会社です。
維持工事の主な受注先は、国の舗装維持、 新得町の舗装維持・除雪・林務の林道・作業道の(草刈り・除雪)等の維持管理業務などです。◆


▼PowerPoint PAGE-02

1土木部門での人材難

まずはじめに、土木部門での人材難の社会的背景に触れます。◆


▼PowerPoint PAGE-03

これは、国土交通省が「社会資本メンテナンスの現状」を説明する際によく使用する、職員数の推移を比較したグラフです。

左下の折れ線グラフをごらんください。
「市町村全体の職員も減っていますが、土木職の減り方はさらに顕著です(全体の20%減に対し、土木は27%減)。
インフラが老朽化し、管理の手間が増えているのとは真逆の動きです」

右下の円グラフをご覧ください。
「特に小規模な自治体では、土木職がいなかったり、いても数名で全てを兼務していたりします。
もはや従来の手法(人海戦術)での維持管理は物理的に不可能です」◆


▼PowerPoint PAGE-04

新得町での町役場職員の現状を申し上げますと★
人数が少ないため、処理が追い付かない。★
事務職の場合も珍しくない=土木の専門用語が通じない。★
地元出身者ではない=土地勘がない。
だからこそ★
「人が減るなら、これまでの10倍、20倍の効率でデータを取れる技術を使い、
我々地域インフラを守る地元建設業が広域をサポートできる仕組みを作らなければなりません。
それが今日ご紹介するGISの存在意義と思っております。」◆


▼PowerPoint PAGE-05

2 町道の維持管理
国道の場合、KPという便利なものがありますが、
町道の場合どうしているのという話です。
起点・終点の概念もなくあくまでも1路線が1本の線として路線名が与えられているだけである。◆


▼PowerPoint PAGE-06

国道は線として一次元で十分管理が可能です。
路線名とキロポストを伝えれば、事故などの位置を的確に伝えられます。
しかし、町道の場合は網の目にように路線があり、維持管理台帳は存在せず、位置を伝達することが難しいです。
土地勘があれば〇〇さんの家の前とかで伝えられますが、今は町外出身者の土地勘のないものが多い現状です。

では、私が新得町でどのような台帳図で町道を管理しているかというと◆

解決策: 「GISアプリ」による座標の共有
ここで、個人の「記憶」に代わるのが、「デジタル地図(GIS)」です。
GISの役割: 土地勘のない人でも、スマホの画面上で「今、自分がいる点」を地図上にドロップするだけで、世界共通の「緯度・経度」という2次元座標に変換できます。
メリット: 「〇〇さんの家」を知らなくても、アプリ上のピンを共有すれば、誰でも迷わず現場に急行できる。これが、現代の土木管理における「新しい土地勘」です。

国道の管理: 「点と線(1次元)」の世界
国道は、一本の太い「線」として管理されています。
伝達手段: 路線名 + キロポスト(KP)。
特徴: 「11号線の5.2KP」と言えば、誰でもその一点に辿り着けます。これは、情報を「線上の距離」という1次元(数直線)で処理しているからです。
課題: 非常に効率的ですが、管理台帳とキロポストが整備されていることが前提です。

町道の管理: 「面(2次元)」の世界
一方で、町道は「網の目(ネットワーク)」であり、境界も曖昧な「面」の広がりです。
伝達手段: これまでは「〇〇さんの家の前」「あの商店の角」といった地域固有の記憶(土地勘)に頼ってきました。
特徴: 住所や目印という2次元(平面)の情報が必要ですが、台帳がない場合、その情報は個人の頭の中にしかありません。
課題: 地方出身者や経験の浅い職員が増え、「土地勘」という共有財産が失われた今、言葉だけで位置を特定することは不可能になりました。


▼PowerPoint PAGE-07

わが町の町道の識別は、この道路網図というものしかありません。
みなさんの管理されている国道のように、道路管理台帳や維持台帳というものはありませんし、
キロポストも路線名を示す標識もほぼないのが現状です◆


▼PowerPoint PAGE-08

「属人的な知識」を「組織の資産」にしようと思い
「ベテランの頭の中にあった『〇〇さんの家』という情報を、GISのピンや線(位置情報)に置き換える。これが、人材不足と土地勘不足を補うDXの第一歩と
考え、このようなマイマップを利用しはじめました。
紙のデータをマイマップに置き換えることにより、橋梁名・路線名など識別できなおかつ迅速に位置情報の共有ができる。◆

〈〈 上記マイマップ 新得町 道路網図


▼PowerPoint PAGE-09

路線名のマイマップと写真の位置情報より補修箇所の管理
役場担当部署にQRコードを使いマイマップを共有することで、リアルタイムで作業の進捗を確認できるため
毎月、月末ごとの作業報告ではなく、常に共有しているので緊急の案件にも迅速に対応できるようになった。
これにより、永続かつ、迅速な維持管理が可能となった
凡例のように、 朱色:補修作業の優先順位 補修箇所を色分けし、番号にて優先順位をつけることで明確化し
現場職員全員に確実な情報共有により、作業の効率化
各補修箇所の作業完了までの期間を細かく指示でき、
 作業箇所の写真の下に作業指示・注意事項事項を記入することでマイマップを見れば、
作業指示まで、情報共有が徹底できるようになったため
作業指示書の作成といった事務作業も省略できるため、
現場職員の負担も軽減できる。◆


▼PowerPoint PAGE-10

凡例
 濃い橙色:路肩+法面刈りのパターン
 赤色:水平部分だけ刈るパターン

道路草刈り路線図をマイマップにて共有
1回刈り・2回刈り作業パターンを色分けして進捗状況の共有
以前は作業パターン(路肩+法面・路肩のみ)が路線によて2パターンあり、をOPの勘違いによる
刈り忘れなどによる 
町民から去年は法面刈ってたのに今年は刈ってない・・・などの苦情(指摘)がなくなりました。
2回目以降は草の生育状況に応じ、作業順位を変更し効率化を図る。
これにより町民からの草刈りに関する苦情が激減しました。◆

 


▼PowerPoint PAGE-11

凡例
 朱色:2周目刈り作業済み
 黄色:3周目刈り作業済み

路線ごとに作業の完了した路線の色を変えることで進捗状況をリアルタイム共有することで
役場職員も町民からの問い合わせ等に迅速に対応でき、なおかつ状況に応じて、作業の優先順位を迅速に変更できる。

凡例のように2回目作業(朱色)から3回目作業(黄色)に移行している様子です
このように2回目から3回目への移行が一目で確認できます。◆


▼PowerPoint PAGE-12

3 林道の維持管理
新得町の林道の場合ですが、全く台帳図が無いなかでの作業となります。

去年・今年と、エゾシカ鹿駆除のためのハンターの移動動線の確保のために
林道の除雪作業を実施。◆


▼PowerPoint PAGE-13

12月に業務の依頼を受け、2月より作業開始、路線確認は現地は積雪のため、路線の確認できず。(委託時に配布された路線図のみ)
六割が作業道の為、地理院地図等に一切記載がなく、
除雪作業と作業路線の調査の同時進行が余儀なくされました。
ちなみに弊社で委託を受ける前までは、林業関係の会社が実施していた為、
作業道・林道など熟知しているのでそもそも路線図がいらなかったのだろうと思います。★


▼PowerPoint PAGE-14

今回は山間部で携帯の電波の悪い区域のため、
登山で使用しているガーミンのハンディGPSを導入しました。
普段、遊びで使ているツールなので使用方法やデーターの運用自体に準備がいらず操作方法も容易なため誰でもログの記録ができる。
まさに遊びの延長である。

GPS/GLONASS(グロナス)/みちびきの3即位に対応
□文字起こしから□

 登山やる方っていないですよね。これはハンディのGPSで登山用で私が使ってるやつなんです。これはスコブル性能良くてあの普通に地理院地図も入っててルートを設定してナビゲーションもできれば、これで写真撮って写真の場所までナビゲーションもできるんです。 物はいいけどこれ実用的じゃないですよね。これすごく物いいんだけど需要が少なくて廃盤になりました。
 最初に考えついたのは、遊びで山行ったりとか川釣り行ったりとかしてる時に、これ仕事で絶対使えるなっていうのがこの発想の始まりです。◆


▼PowerPoint PAGE-15

初回、除雪作業時にガーミンを使用し、GPSデータを取得しながら実施
路線逸脱とうのリスクがある為、弊社の中でも地元出身者で、尚且つ一番慎重なOPを抜擢し。作業を実施しまた。◆

▼PowerPoint PAGE-16

マイマップに路線図のGPXデーターをいれ路線図の作成を実施します。
GPX・KMZ(KMLのZIP圧縮)ファイル等、ドラッグ&ドロップで簡単にレイヤーに入れられます。★
この後、実際のデータの取り込み等の詳細はこの後の講義でということで割愛します。◆


▼PowerPoint PAGE-17

ログデーターの解析
ガーミンのベースキャンプという専用ソフトを使用しデータ処理 
登山用のツールなので経過時間・移動時間・停止時間 移動速度・標高の記録が可能の各記録をグラフで視覚的に確認。
今回は4秒に1点で一データーの記録。
左のデータより作業状況の進捗等確認できます。ちなみにOPの休憩等の労働時間の管理にも使用できます。◆


▼PowerPoint PAGE-18

そして、出来上がったのが
このガーミンで記録したログのGPXファイルをマイマップに落とした作業路線図です。◆


▼PowerPoint PAGE-19

スマートホンで路線のマイマップを使った作業
要するにカーナビ使て、目的地に行くのと同じ感覚で作業を実施
これによって路線を知らないOPでも路線を逸脱することなく作業を実施でき、
各OPはスマホがあれば除雪作業を円滑に実施できるため、
勤務のローテーションが容易になり休日の確保・作業時間の短縮により
勤務時間の管理が楽になりました◆


▼PowerPoint PAGE-20

さいごに、◆


▼PowerPoint PAGE-21

国道の維持管理はこうなってほしいという私のメッセージをまとめました。★
「キロポスト管理」から「キロポストと併用したマップベース管理」へ
キロポストの一次元管理でも十分ですが、後継者不足を考慮し、直感的に捉えられるGISこそが、唯一の共通言語になり得ます。★
「属人的な知識」を「組織の資産」にベテランの頭の中にあった『〇〇さんの家』という情報を、GISのピンや線(位置情報)に置き換える。これが、人材不足と土地勘不足を補うDXの第一歩です。★
次に、楽しくGIS活用するためにはどうしたらよいか、私の経験からまとめました。
仕事だけで利活用の工夫を考えるのは、苦痛がともないます。★
そこで、私が思うのは、トラッキングアプリやガーミンGPSのような道具を休日のアウトドアでのログの利用をすると、仕事へのアイデアが浮かんでくると感じています。★

プライベートでも活用して楽しんでゆくことがいいと思います。
それでは、私の講和が少しでも本日、参加されている皆さんのために、なりますように祈念し終了させていただきます。◆


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