ID:20220315-706525-07
目次
維持管理部門へ引き継ぐためのBIM/CIMデータの課題
講師:宮坂建設工業株式会社 ICTソリューション 課長 熊谷 大輔(くまがい だいすけ)
以下の資料は、技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意によりご提供いただいたものです。
20220315公開
▼PowerPoint PAGE-01
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▼PowerPoint PAGE-02
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大節婦川橋東橋脚工事での事例を中心に、
どのようにBIM/CIMデータを作成すると効果的か、
そのデータを今後の維持管理にどのように受け渡すのが良いのか、
実際のデータを交えてお話していきます。 ◆
▼PowerPoint PAGE-03
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いかにICTでクリアしていくかを検討し取り組みました。 ◆
▼PowerPoint PAGE-04
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形状や施工途中の状態をBIM/CIMモデルとし、
フロントローディングを行い手戻りのない工程を検討しました。
ICT建機による施工を行い、早期開通を実現しております。
ここまでがBIM/CIMも含まれたi-CONの取組みです。
この2つは3次元データが共通項であり、ICTのデータをBIM/CIMに活用、
またはBIM/CIMのデータをICTに活用するように、
せっかく作成した3Dデータを幅広く活用することで、より大きな効果となります。 ◆
▼PowerPoint PAGE-05
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さらに様々な現場状況に対応できるように、
弊社では単独工事全現場でBIM/CIMの取組みを開始しました。
初期の簡単なモデルを作って、事前検討会で活用する現場もあれば、
BIM/CIMの試行工事として、フルモデルで取り組んだ現場もございます。
本日は、大節婦川橋東橋脚工事での取り組みを中心にお話していきたいと思います。 ◆
▼PowerPoint PAGE-06
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社内で技術者を育成しており、素早く取り掛かることができたと思います。
初期モデルは、細かい作り込みよりも、
全体を把握するために必要最低限なモデルを仕上げるといった、
スピード感が重要となります。 (実際のデータを見せる) ◆
▼PowerPoint PAGE-07
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かつ素早く作成する必要があるため、作り込む部分と、ざっくりと作成する部分で分けます。
特に、施工周辺の地形や建物は、国土地理院 基盤地図情報のデータをダウンロードして作成します。
施工箇所は、躯体の表面形状を、図面から作成します。 ◆
▼PowerPoint PAGE-08
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5m~10mの地形、建物、川などの情報があります。 ◆
▼PowerPoint PAGE-09
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2次元図面から変化点の座標(xyz)を繋げていき、面データを作成していきます。
各メーカーのソフト毎に、操作方法は異なりますが、作り方の基本は全て同じです。
ただし、メーカーによっては、構造物を作るのが苦手なソフトもありますし、
逆に地形を作るのが苦手なソフトもあります。 ◆
▼PowerPoint PAGE-10
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主にICT施工で使用されるのはTINサーフェスで、土工や地形を表現するときに作成します。
(点群計測から作られるのもこちら) 3
Dソリッドは構造物を作成する時に便利です。
それは垂直を表現できるからです。
無理やりTINサーフェスで作成することも不可能ではないですが、とても大変です。 ◆
▼PowerPoint PAGE-11
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ポンプ車までにどう動くか、渋滞はしないか、などを検討しました。
ある程度正確な寸法でのデータになっているため、
現実で「まずやってみよう」とテストするところを、
事前に行うことで手戻りやミスを回避します。 ◆
▼PowerPoint PAGE-12
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このとき、レーザースキャナーで地形や電線を計測することで、
より正確な、cm単位での検証が可能です。 最初のスタートモデルでは荒かったデータも、
このように後からデータを追加することで、検証できることが増えていきます。
つまりデータをアップデートした、詳細度を上げたと言えます。 ◆
▼PowerPoint PAGE-13
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100から500までのレベルが設定されており、数字が大きくなるほど、
データは正確で持っている情報が多いということです。
(ただし、多くなればなるほど、修正が困難)
100は、ざっくりとした形状、500は現実と同じレベルです。
BIM/CIMデータの多くは300で作成されていると思われます。
(ICT用の設計データも300くらいだと考えられる) ◆
▼PowerPoint PAGE-14
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現在は施工段階で1から作成することが多いですが、今後は設計段階で作成された3Dデータを、
私たち施工会社が受け取り、施工に必要な情報を追加していくといった形になります。
そして施工完了した段階のデータを、その後の維持管理のベースデータとして引き継ぎます。 ◆
▼PowerPoint PAGE-15
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作成したデータに、コンクリートの出来形や品質情報を付与することで、
3Dモデル上で帳票の情報を確認することが可能です。 ◆
▼PowerPoint PAGE-16
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P5、P6は詳細に作成していますが、それ以外は詳細度を低く作成しています。
(実際のデータを操作)
作り込みの多い部分と、少ない部分があります。
(施工会社は物を作るのが目的で、データを作成するのが目的ではない) ◆
▼PowerPoint PAGE-17
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全てを作成しようとすると、それだけで1年が終わってしまいます。
また、ねじ一本まで作成すると、データが重たくなり閲覧も大変になります。
目的に応じて、必要なデータを作成することが重要です。 ◆
▼PowerPoint PAGE-18
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現在、2次元の図面が渡されるのと同じように、3次元のデータと2次元の図面が渡されるということです。
(2次元図面は3次元データから作られる)
データは雪だるまのように、徐々に情報が追加されますので、容量は大きくなっていきます ◆
▼PowerPoint PAGE-19
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そのソフトでしか開くことができません。
そこでどのソフトでも開けるように、共通フォーマット形式があります。
TINサーフェスは、LandXML形式です。これはICT施工ではおなじみの拡張子だと思います。
基本的にはこれで面データを渡せます(航空写真は不可) 3
Dソリッドの構造物は、ifcという形式で受け渡します。
主に建築で使用されている拡張子で、部材などの情報を含めることができます。
点群データはlas形式が広く知られています。
この中で、点群データはx,y,z,r,g,bという、数字のテキストデータのみですので、
もっとも受け渡しがしやすいです。
しかし、それ以外のデータは、完全に全てのデータを受け渡すことはできません。
例えば属性情報が失われたり、色情報がなくなったり、新しいソフトで再度構築しなおす必要があります。
そこで、ビューア形式のデータも用意されますが、
これは見るだけで編集したり図面を取り出したりすることができません。
全てのソフトを持っていれば閲覧はできますが、
バージョンが異なると開けないといった互換性の問題もありますし、
BIM/CIMは目的に応じて様々なソフトを使い分けていきますので、
全てのソフトを網羅するのは現実的ではありません。 ◆
▼PowerPoint PAGE-20
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ガードレールや配管など、詳細部まで現実と同じもの(LOD 500)まで作成するのは非常に時間が掛かります。
では、施工段階で完成した道路や橋を、点群データとして出来形計測し、
それを表面の最終形状として合成することで、 データ作成の手間を大幅に省力出来るのではないでしょうか。
(あくまで一例。どう計測するのか、という問題はある)
計測技術は年々進歩し、スマートフォンで点群が計測できる時代です。
より簡単に素早く計測できるようになる将来は、最も早く訪れると思います。 ◆
▼PowerPoint PAGE-21
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3Dモデル上でデータを作り込んでも、現実の形状が変わることはありません。
リアルタイムで3Dモデルを作ることも、今は現実的ではありません。
維持管理の段階でどのようなデータ管理が必要で、
そこにBIM/CIMデータをどのようなベースにするのかは、
今後検証を重ねていく必要がありますが、
施工段階で使用しているデータは間違いなく活用することができます
(おおむね、現実に近いデータになっているため) ◆
▼PowerPoint PAGE-22
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いち早く取り組むことでより効率的な ノウハウをためて、
日常的に活用することができる。 ◆
▼PowerPoint PAGE-23
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