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BIM/CIM対応設備投資の必要性について

工事監督支援業務でのBIM/CIM対応設備投資の必要性について

1.用語の定義等
ここでいう、3次元、3D、BIMCIM関連データなどと表現するものについては、具体的には
本省技術調査課、BIMCIM関連基準のサイト
https://www.mlit.go.jp/tec/tec_fr_000102.html
において規定および取り扱いが想定されているファイル形式
および、i-Constructionや情報化施工を実施する上で取り扱われるマシンコントロールのためのデータ群を言う。
特に
① レーザースキャン測量等により得られた点群データ類 csv形式、Las形式、xyz形式、txt形式など
主に地形、出来形を取り扱います。
②3次元モデルデータ類
ifc形式など(3DCADシステム毎のオリジナル形式はここでは省略)
主に構造物の形状を取り扱います
③土工形状モデル等
LandXML1.2に準じた3次元設計データ交換標準(案)Ver.1.4で規定するいわゆる「J-LandXML」
主に線形、縦横断などの道路土工の構造の設計データを扱います
④一般に公開されている公共の地形データ
国土地理院が公開する、基盤地図情報(数値標高モデル)等のJPGIS(GML)形式
などがあげられる

2.現在の状況の整理、前提条件
・工事発注においては、現在、工事請負契約上の「成果品」として3次元データを納品成果で要求する(品質・出来形)ことが始まっているが、「設計図書」に該当する設計データが3Dではない。従来の2D図面・数量・特記で構成される。
・工事監督支援業務の「業務内容」において、これら3Dデータの取り扱いは履行義務に含まない。
つまり、工事においては、契約条件上は設計図書も成果品(出来形・品質・完成図)も、2Dが要求され、i-Constructionのジャンルで要求される3Dのデータは追加で作成され、納品することが要求されている、という状況であり、監督実務は従来の出来形管理基準等に則って執り行われるため、工事監督支援業務もこれに従うこととなる。

3.工事監督支援業務の実務でどの程度3Dデータを取り扱う可能性があるか
前出のとおり、工事監督支援業務の履行義務に、
・3Dの取り扱いが含まれないこと
・現に、工事請負契約上も絶対に必要なのは2Dの設計図書と納品成果であり、特記などにより納品成果にiconが含まれるとしても、その成果の生成過程や、出来上がるデータに対しての監督実務が及ぶ性質のものではない。(受注者の責任において作成され、納品されるべきもの)
したがって、工事監督支援業務の実務において、3Dを取り扱う頻度は極めて少ない。

4.工事監督支援業務3Dデータを取り扱うための設備投資は必要か
答えは、現在は必要ないが、将来は必要、ということになるであろう。
近い将来、設計データも成果品も、施工中の監督実務もすべてがこれら3Dで扱われ、2Dの平面・縦断・横断・土量は消滅する。現在はその過渡期にあたるが、3D設計のみで工事請負契約が成立しない限り、工事監督支援業務は結局3Dデータを取り扱う場面が非常に限られるため、急ぎ設備投資する必要はない。
但し、先を見据えた予習を行うという考え方から、その必要性を肯定する意見もあるが、だとしても例えば1業務毎に用意する程度で十分であろう。技術者人数分のライセンスを契約するというのは早計である。

5.僅かであってもゼロでなはい3D取り扱いの必要が生じたときどうすればよいか
以下のような方法が考えられる
①設備投資を開始する
これら3Dを扱うために必要なソフトウェア類一式と、稼働させるに十分なスペックのハードウェアを技術員全員が使える環境を用意する
・・・これは前出のとおり、時期尚早といえる
②発注者事務所の配備済のハイスペックPCを借用する
・・・許可が得られるかどうかが課題
③利用中のASPシステムのBIMCIM機能(ビューアなど)を利用する
・・・閲覧や朱書きは可能だが、モデルそのものの作成や編集はできない。見るだけ
④国総研の「DX データセンターにおける3次元データ利用環境の 官民連携整備に関する共同研究」に参加する
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20220426_3.pdf
・・・高価なソフトウェアを非常に安価で利用可能。工事監督支援業務を受注している事実で、利用する権利はあると推察される。
当面は、上記②~③の方法で対応可能ではないだろうか。

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